無重力の宇宙に長期間滞在した宇宙飛行士は、宇宙滞在中から腰の痛みを訴え、地球帰還後も長く腰痛に苦しむことが多いそうです。
宇宙空間では腰痛になりやすい??
その原因と、そこから見えてくる腰痛にならないための生活習慣を紹介します。
宇宙空間で腰痛になる理由
宇宙に国際宇宙ステーション(ISS)が建設され、世界各国の優秀な宇宙飛行士がおくりだされています。
そこでは無重力状態でしかできない実験が行われ、さまざまな発見がされています。
日本でも何人もの宇宙飛行士が宇宙に飛び立っていますね。
ですが、宇宙空間は人体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
すでに以前より、NASAの宇宙飛行士の半数以上が、国際宇宙ステーション(ISS)へ滞在しているミッションの最中から、背中や腰の痛みを訴える様子が観察されていました。地球に帰還すると、その人数は少し減るものの、依然として4割以上の宇宙飛行士が、長く腰痛に苦しむとのデータまで残っているそうです。
参照元:宇宙で暮らすと背が伸びる…でも腰痛は深刻になって戻らない(GIZMODO)
宇宙空間では重力がないため、自然と筋力が衰えていきます。
宇宙飛行士たちは、この筋力の衰えを防ぐために、無重力空間に備え付けられたトレーニングマシンで過酷なトレーニングを続けます。
ですが、それでも筋肉量は減ってしまうのです。
地球に帰還直後の宇宙飛行士を見たことがあるでしょうか?
笑顔で聴衆に手を振っているものの、両脇をスタッフに抱えられ、自分一人では歩くことが出来ない状態になっています。
自力で歩けないくらい筋力の弱った宇宙飛行士たちは、地球の重力に慣れるためにリハビリを行う必要があります。
どんなに頑張っても、以前の筋肉を取り戻すには、かなりの時間が必要といわれています。
宇宙飛行士たちは極度に筋力が低下する。
宇宙飛行士たちを悩ませる腰痛の原因はこれです。
無重力状態では、重力の重みで筋肉に自然とかかるはずの負荷がかかりません。そのため、腰回りの筋肉が異常に減少してしまうのです。
宇宙飛行士が地球に帰還後、1年以内に腰椎椎間板ヘルニアを発症する確率は、普通の人たちに比べて4.3倍にもなるそうです。
腰回りの筋肉を鍛えると腰痛になりにくくなる
腰痛で医者に診てもらうと、8割以上が原因不明。その結果、先生から言われるのが「猫背はやめましょう」「同じ姿勢をとりすぎないように」「腰はあたためてね」「腰回りのの筋肉を鍛えましょう」といったアドバイス。
多くの腰痛対策本でも、腰の筋肉を鍛えることは腰痛対策に有効とされています。
宇宙飛行士が腰の筋力低下で腰痛に悩まされている事実から見ても、それは確かでしょう。
腰回りのの筋肉を鍛えると、その筋肉がコルセットの様な役割をして、腰への負担を軽減してくれます。
とはいえ、普段あまり運動をしていない人が急に筋トレを始めたりすると、腰や関節を痛めてしまうかもしれません。腹筋なんて腰への負担が凄いです。
基本的には、腰痛対策として過剰な筋力トレーニングは必要ないでしょう。毎日過酷なトレーニングをしているスポーツ選手でも腰痛に悩んでいる人が多いですしね。
オススメは腹式呼吸での深呼吸です。
空気を吸うときにお腹を膨らます。
空気を吐くときにお腹をへっこます。
これが腹式呼吸ですが、それを深く行います。
吸うときはいっぱいに空気を吸い込み、吐くときは限界まで吐き続けてお腹をぺしゃんこにする。吐ききったら、その状態を数秒間キープ!
これを1日に何度か繰り返すだけで、関節に負荷をかけることなく、腰回りの筋肉を鍛えることが出来ます。
「ただ深呼吸するだけじゃない」
と思ってやってみると、意外とお腹の筋肉に負荷がかかっていることがわかります。やり過ぎると頭がクラクラするので注意が必要ですが、腰痛対策にオススメですよ!!